キラメキテラス ヘルスケアホスピタル

リハビリテーション室 概要

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リハビリテーション室

理念

患者様の意思と権利を尊重し、医療人として感性に満ちたリハビリテーションの提供に努め、地域包括ケアシステム内における小児から高齢者の皆さまに貢献します。

基本方針

  • 未病、予防の視点で地域公開講座や予防介護事業等において積極的に地域社会へ貢献します。
  • 退院後の生活を見据えた質の高いリハビリテーションを提供します。
  • 外来リハビリ、訪問リハビリ、通所リハビリ等におけるシームレスなリハビリテーション提供に努めます。
  • 地域包括ケアシステム内における小児リハビリテーション医療を担います。
  • リハビリテーション提供をする各療法士の人間力(良き社会人)、技術力の向上に努めます。

技士長あいさつ

技士長 平川 智士

昭和32年に創設された高田医院を礎に、昭和60年にリハビリテーション室が開設され、その後平成21年9月回復期病棟、平成29年4月地域包括病棟を開設、令和3年2月『キラメキテラスヘルスケアホスピタル』と名称変更し、高麗町へ移転してきました。令和3年9月には地域一般病棟開設、同年10月19床増床し、全198床を擁する病院へと成長致しました。病院の成長と共にリハビリテーション室も進化を続け、総勢70名を超えるセラピストが外来・入院・介護保険部門のリハビリテーションをはじめ、さらに地域の介護予防事業へと日々充実したリハビリテーション及び地域貢献活動を提供しております。

鹿児島大学病院リハビリテーション医学教授下堂薗恵先生をお招きして、先端リハビリテーション機器の導入、そしてリハビリテーション医学研究・学会発表へも積極的に行うことでリハビリテーションの質向上への取組みを続けております。

また、リハビリテーション専門医による充実した回診体制により、患者様にとって安心して入院中のリハビリテーションが受けられる体制が整いました。鹿児島大学リハビリテーション科専門医による回診や下堂薗先生の特診も実施することで患者様の皆様に安心して頂ける医療提供体制に努めております。

今後の展望としては『いつまでも健やかに私たちの願いです…。』の法人理念の元、地域包括ケアシステムの一翼として地域の皆様方に欠かすことが出来ない病院・リハビリテーション室となれるよう取り組んでまいりますので地域の方々や医療機関・介護施設の皆様方を含めまして今後共宜しくお願い申し上げます。   

リハビリテーション室 技士長 平川 智士

リハビリテーション提供体制

施設基準

  • 脳血管疾患等リハビリテーション料Ⅰ
  • 廃用症候群リハビリテーション料Ⅰ
  • 運動器リハビリテーション料Ⅰ
  • 呼吸器リハビリテーション料Ⅰ
  • がん患者リハビリテーション料

業務時間

  • 午前 9:00~12:00
  • 午後 13:00~17:30

回復期病棟365日体制

スタッフ 2024年4月1日現在

理学療法士 43名
作業療法士 29名
言語聴覚士 12名
リハビリテーション専門医 常勤2名 非常勤2名
義肢装具士 非常勤2名

理学療法部門

病気、けが、障害などによって運動機能が低下した状態にある患者さまに対し、運動機能の維持・改善を目的に運動療法や温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて治療を行います。直接的な目的は運動機能の回復だけでなく、日常生活動作(ADL)の改善を図り、最終的にはQOL(生活の質)の向上をめざし、最適なリハビリテーションの提供に努めております。当院では麻痺などに対して、身体機能の回復を目的にEMS(電気刺激療法)や促通療法を実施し、定期的にリハビリテーション専門医の装具診や、積極的に装具療法を取り入れて早期に歩行訓練を実施することで、最大限の機能回復を目指します。また、病院内には珍しく義肢装具士を配置することでタイムリーな義肢装具の作成・調整が可能です。透析室と連携して透析中でのリハビリテーションへも取り組んでおります。

認定理学療法士 取得スタッフ

丸山元大

【所有資格】

理学療法士

地域理学療法認定理学療法士

福祉住環境コーディネーター2級

呼吸療法認定士

訪問リハ実務者研修 修了

資格についてのお問合せ先はリハビリテーション室まで

TEL:099-250-5600(代表)

作業療法部門

心身機能の回復、維持、あるいは低下を予防する手段としての作業の利用と、その作業自体を練習し、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われ、作業に焦点を当てた治療、指導、援助をしております。トイレ・入浴・食事等の日常生活動作や家事・買い物等の生活行為全般や、達成するための環境への働きかけも含む最適なリハビリテーション提供に努めております。当院では福祉用具の選定や義肢装具士の協力で自助具や介助補助具の改造・修理への対応も行っております。脳血管障害・高次脳機能障害等の患者さまの希望者の方を対象に自動車運転再開支援や職場復帰の取り組みも行っております。また、上肢の麻痺に対して、最先端のリハビリテーション機器を導入することで最大限の機能回復の支援をしております。

言語聴覚療法部門

脳血管障害等で話す際に呂律がまわらない構音障害や、「聞く」「話す」「読む」「書く」が障害される失語症などによることばによるコミュニケーションの問題や食べ物や飲み物が上手く呑み込めなくなった摂食・嚥下の問題にも専門的に治療、訓練、指導、助言、援助をしており、個々の患者さまの症状に合わせた最適なリハビリテーション提供に努めております。当院では積極的に経口摂取の再獲得に向けて、VF(嚥下造影検査)やVE(嚥下内視鏡検査)での評価を実施し、リハビリテーション専門医・管理栄養士・看護師などと連携して口から食べる支援を行っております。また、作業療法士と協力して、自動車運転再開に向けての支援をします。更に、訓練中に対話支援システムを利用することで聴覚への刺激を増やすリハビリテーションへの取り組みをしております。

リハビリテーション室の取り組み

リハビリテーション科専門医によるリハビリ回診

当院には3名のリハビリテーション専門医が配置され、リハビリテーション回診を実施しております。リハビリ回診には主治医・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・薬剤師・医療ソーシャルワーカー・公認心理士・管理栄養士などの専門職が参加して、患者さまの情報共有・意見交換を定期的にすることで、一人ひとり最適なゴールへ向けて退院までの支援をしていきます。リハビリテーション専門医による専門的な視点での治療やアドバイスを受けることができるので入院中も安心してリハビリテーション治療に専念できます。

 

リハビリ効果を『見える化』

リハビリ効果を視覚的に『見える化』して患者様・ご家族へフィードバック

動画再生出来ない場合はリロードもしくは別のブラウザをお試しください

入院時
中間
退院時

リハビリスタッフがiPhoneで入院退院時のADL動作を電子カルテへ記録

透析中リハビリテーション

CKD(慢性腎臓病)患者さまは、これまでの運動制限や安静の治療方針が見直され、今日では適度な運動が推奨されています。運動の効果としては、患者さまのQOL向上、身体機能の維持増進効果の他、腎保護作用なども報告されています。また、近年、病気が進行して人工透析となった患者さまにも運動の恩恵は大きいとして、透析時に運動療法を提供する施設が増えています。当院では2012年から透析中のリハビリテーションを開始し、医師・看護師・リハビリテーション専門職共同で、ベッド上で行う下肢のストレッチや、おもりバンドやゴムバンドを装着してのレジスタンス運動である筋力トレーニング、エルゴメーターを使用した有酸素運動、筋収縮を促すEMS(電気刺激療法)を実施しております。

 

先端リハビリテーション機器導入

CoCoroe AR2、PR2

CoCoroe AR2を使用している様子

脳血管疾患、整形疾患などによる上肢機能障害の患者さまを対象に、電気・振動刺激を併用しながら上肢の自動運動の反復運動をサポートする最先端リハビリテーション機器を導入しました。6つの訓練パターンから最適なリハビリテーション治療を提供致します。

CoCoroe AAD(Ankle-Assist Device)

歩行に求められる足首の底屈・背屈の動きをモータで補助することで、歩行練習を安全かつ長時間、反復して行うことができる装置です。対象者の身体機能・歩行状態に合わせて、歩行周期、底屈・背屈角度、アシスト力の設定が可能で、対象者は歩行時の足関節の動きを体感することができます。今まで介助者が行うことは難しかった足関節の動きをサポートしながら歩行練習を行うことが可能です。

 

義肢装具士配置

当院は装具作製の専門職である「義肢装具士」を1名配置しております。装具とは、麻痺などの障害に対して効率的な運動療法(装具療法)を行うために必要な治療用器具のことで、患者さま一人ひとりに合わせてオーダーメイドで作製します。
当院では、リハビリ室内に義肢装具スペースを設けておりますので、装具の作製や修繕などのニーズにスピーディーに対応し、回復段階に合わせた微調整や再作成への対応など最適な装具をタイムリーに提供することを心掛けております。
更に退院したあとも定期的に装具のメンテナンスを実施し、訪問リハビリや通所リハビリのスタッフと連携しながら在宅での生活を支援しております。

 

自動車運転再開支援

自動車運転再開支援のリハビリテーションとは 脳卒中などのご病気で運転に必要な認知・予測・判断能力などに障害を負われた方が、安全に自動車に乗ることができるかを作業療法士及び言語聴覚士が行う高次脳機能障害の評価を行い、必要に応じて提携しているドライビングスクールでの実車評価をした上で、リハビリ専門医が可否判断の助言を行うものです。当院では入院患者さまに対して退院までの間に運転再開の可否判断の助言を含めた支援を行っております。尚、脳卒中などのご病気になった後は、運転を再開する前に警察署・運転免許センターで臨時適性検査を受けなければなりません。検査を受けず、事故などに巻き込まれた場合、過失を問われることがあるのでご注意ください。

ドライビングシミュレータ
実車評価

 

対話支援システムによる聴覚リハビリテーション

近年、聴覚機能である聴き取る能力の衰えを「ヒアリングフレイル」という名称で提唱されるようになりました。聴覚機能の低下によるコミュニケーションの問題やQOL(生活の質)の低下などを含み、難聴によって周囲の関わり合いが大きく変化し、周囲が聴力の低下に気づかず、この状態を放置するとその他のフレイルと同様に心身の活力の衰えが進み、認知症やうつ病となるリスクが高まるとも言われています。当院では対話支援システムであるユニバーサルサウンドデザイン社の『COMUOON®(コミューン)』を積極的にリハビリテーション場面に応用利用しています。特に言語療法において、難聴患者さまへ使用して聴覚を通して脳への刺激を促すことで脳活性化を図る取り組みをしております。

ユニバーサルサウンドデザイン社
『COMUOON®(コミューン)』公式サイト

ヒアリングフレイル(クリックでPDFが開きます)

 

『口から食べる』を支援する KTサポートプロジェクト

病気やけがなどから口から食べることが難しくなった場合、胃などに直接栄養や水を取り込む経管栄養を選択することがあります。現状の医療・介護の現場では、口から食べたいというご本人やご家族の願いが叶わず、人工栄養となるケースも少なくありません。
口から食べられなくなると、身体にさまざまな影響を及ぼします。まず食べ物を目で見て匂いをかぎ、音を聞き、手を使って味を感じる行為が制限され、五感を含めた脳機能が低下します。また、口の開閉や舌の動きが減ることで、唾液の分泌量も減少し、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)機能が低下したりします。咀嚼や会話などで1日1.0〜1.5Lほどの唾液が分泌されますが、それが大幅に減少し、唾液の分泌量が低下することで口腔内が乾燥し、細菌の温床になり、誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。人工栄養を長期間にわたって続けることで体の機能まで衰え、結果的に廃用症候群に陥る可能性もあると言われています。
当院では可能な限り口から食べることをリハビリテーション専門医や言語聴覚士を中心に摂食嚥下リハビリテーションを通して積極的に支援しております。

①リハビリテーション専門医による嚥下造影検査(VF)・嚥下内視鏡検査(VE)の実施

R2 R3 R4
嚥下造影検査(VF) 23 22 22

 

②摂食機能療法の実施

R2 R3 R4
年間実績 10 11 17

※上記以外にも疾患別リハビリテーションの提供内で摂食能力向上をしております。

 

③MTPSSE(高齢者の発話と嚥下の運動機能向上プログラム)の実施

MTPSSEとは発話障害と嚥下障害の両面で同時並行的に効果を得るハイブリッドアプローチのこと。予防的アプローチであると同時に治療的なアプローチでもあり、セルフプログラムとしても活用しています。

MTPSSE講習修了者 言語聴覚士 松田修也
MTPSSE講習修了証書

 

④オンライン遠隔嚥下機能評価

テレビ電話のFacetimeを活用し、視覚的な評価に加え咀嚼・嚥下音を咽頭マイクで聴覚的に言語聴覚士が遠隔評価することで法人内の有料老人ホームや在宅サービス利用者さまへタイムリーに評価することで誤嚥性肺炎予防に努めています。

 

⑤電気刺激療法や振動刺激療法

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